笹のはなし(1)
日本料理の飾りとして、日頃から親しみのある植物、クマ笹。
半兵衛麸でも、笹巻麸にさわやかな香りと涼感を与えてくれる大切な存在です。
そんなクマ笹の魅力について、ご紹介させていただきます。
ご存知のように、クマ笹は、古来より民間薬として重宝されてきた植物です。
中国最古の薬物書『神農本草経』にも漢方薬として紹介されているほど、
遠い昔から人々の健康を支えてきました。
日本においても、東北地方では胃腸病、高血圧、喘息や風邪の時に
クマ笹の煎じ薬を飲んでいたといわれています。
また、火傷や切り傷、湿疹にあせも、虫刺され、
はては口臭や体臭を消すことにまで利用され、
暮らしに深く浸透していきました。
さらに、人々はクマ笹の防腐・殺菌作用を利用して、
山仕事や旅の途中で食べるおにぎりやお餅を包むようになりました。
それが、笹団子、笹あめ、笹寿司、笹酒、ちまきなど、
クマ笹を使用した食品が多く生まれたルーツといわれています。