半兵衛麸のこれまで
創業~江戸時代
半兵衛麸は、元禄2年(1689年)に京の町で初代玉置半兵衛が宮中で覚えた技で麸屋を始めました。
以来、三代目の三十郎が作った家訓「先義後利」の精神を守り、お客様にお麸でお役に立てる商いを続けてまいりました。
明治時代
また明治維新、産業革命を経験した九代目虎治郎が加えた家訓「不易流行」は、時代に合わせたチャレンジ精神を今日にも伝えています。
寺院からの要請でゆばをつくり始めたのもこの頃です。
昭和時代
第二次世界大戦で、主原料の小麦が手に入らなくなり、軍需用の供出で金属製の鍋釜等を失っても、十代目四郎之助は、正直、勤勉、倹約の石門心学の教え「三徳」を守り、闇の小麦には手を出さず、商いの正道を貫きました。
戦後、寺院や料亭など昔からのなじみのお客様に支えられ、麸屋を再開、卸売りだけでなく小売り販売にも力を入れました。
生麸を家庭料理に広めるため、茶房「半兵衛」を本店内に設けました。また、流通の発展により、全国のお料理屋さん、ご家庭にお届けできるようになりました。
尚、茶房は、今や当たり前となっている京町屋の店舗ですが、昭和後期の当時はまだ町家を活用するところは皆無で、今から思えば町家再生の先駆けだったかもしれません。
平成
流通が発達し、全国のお料理屋さんやご家庭でお使いのお客様に商品をお届けできるようになりました。
和食に限らず洋・中華、スイーツなどのお料理法を考案、レシピ本の出版やお料理教室なども開催し、今の食生活にあわせたお麸料理の提案を始めると同時に、日本の食文化のもつ心(精神)をお伝えしたいと活動をしております。
新コンセプトブランド「ふふふあん」を立ち上げ、京麸の可能性を広げました。
今、令和
半兵衛麸の歴史は、令和元年で330年を迎えました。
令和は創業の元禄から数え29代の元号です。
半兵衛麸の描く未来
お麸は、京都の文化、日本の文化とともに発展し、半兵衛麸も麸の発展とともに歩んでまいりました。
そして、創業以来いつの時代も食文化を育んでこられた多くの料理人さんに支えられ歩んできました。
お麸はお料理のほんの一部でしかありませんが、時に四季を感じさせ、
食卓を華やかに彩り、人の心を豊かにすることもできます。
私たちは京麸の文化が途絶えることなく、日本人の生活の中に息づき、
四季のある日本の食文化の素晴らしさ、京麸のよさが時間や地域を超えて伝わり、
つながっていることを願っています。
そして、歴史とともに半兵衛麸の精神が400年500年と続くよう
心をつなげ、伝えていきます。