半兵衛麸のこと
半兵衛麸のこと

あんなぁよおぅききや

NO.31 卒業式【前編】

公立高校の合格もしており、心ウキウキ、中学校の卒業式から帰ってきました。

「今日は卒業式やなぁ。おめでとう。式はどうやった?」
「感謝の言葉は○○君が読んだ。そして歌を唄うた。♪仰げば~尊し~わが師の恩~…♪」
「そうか、わが師の恩か…。わが師の恩って何や知ってるか?

恩の漢字にも隠された大きな意味があるのや。
赤ちゃんはみんな大の字になって寝てる。
それもお母さんに、お布団の上で寝さしてもらうのやから、
□(布団)の上で大の字に寝ている姿を書いて『因』の字になるのや。
『因』の漢字は、はじまりの意味や。

生まれたらすぐ、赤ちゃんはお布団の上に寝さすやろ。
どのお母さんも□(布団)の上で赤ちゃんを寝さしてやりたい、と優しい心を持っているのや。
だから人間のはじまり=『因』と『心』をくっつけて、親の気持ち『恩』の字になるんや。
育ててもろた親の恩て言うやろ。恩ははじめの心なんや。

中学に入学した時はうれしかったやろ。
中学では、何を教えてくれはるのやろ、どんな先生やろ、どんな友達ができるのやろうて。
小学校の時には戦争や空襲やら疎開で、勉強できひんかったから、中学生になったら
今度は一生懸命に勉強しようと思うてたやろ。
それが『因(はじまり)の心』なんや。

入学した時が学校生活のはじまりで、毎日、今まで知らんかったことや、
初めてのことをしたり、教えてもろうた。
先生に恩があるから、師の恩になるのや。

物事には何でもはじまりがあって、終わりがあるのや。
入学したら、卒業があるのや。
人間は生まれた時が始まりで、みんな死ぬのんや。死んだら終わりや。
友達とも『おはよう』て会うたら、『サイナラ』って別れるやろ。
鉛筆も新品(さら)を使い出して、書いてたらだんだんと短うなって書けんようになる。
電車に乗った時がはじまりで、遊園地の駅に着いたら終わり。
遊園地についた時から遊びのはじまりで、出ていく時が終わり。
また電車に乗った時が帰りのはじまりで、家に着くのが帰りの終わり。

はじまりがあって、終わったらまた新しいはじまりが生まれるのや。
物事にははじまりと終わりが、必ずあるのを知っていなあかんのや。
事のはじまりは、原(もと)の因(はじまり)で原因。
事の終わりは、結(とじ)て果(はてる)から結果。
物事には必ず、原因があって、結果があるのや。
その因と果をとって『因果(いんが)』て読むんや。『あの人は因果のわからん人や』
『あの人は因果の悪い人や』って聞くやろ。

学校に入学して教えてもろうた時がはじまり、大人になって結婚したはじまりの時、
困った時にお金を貸してもろうたのがはじまりの時、何でも事のはじめにお世話になって、
嬉しかった『はじめの心』を忘れてしもうて怒ったり、悪口を言うたり、
借りたお金を返さなかったりする人を『因果のわからん人』ていうんや。


次のコラム <卒業式 【後編】>へ続く