半兵衛麸のこと
半兵衛麸のこと

あんなぁよおぅききや

NO.16 うんこ

姉が赤ちゃんを連れて遊びに来ました。
ほっぺをつついて笑わせたり、お乳を飲ませたり、泣きだすと抱っこしたり、ままごと遊びをしているようでした。
おしめを替えているのを見ているとお尻にうん子がぺったり。

「あー汚いなぁ」と言ったら、
「何が汚い。ちょっとこっちへおいで」

私が中学生の頃には、父の教えもだんだんと厳しくなっていました。

「山にも、海にも、川にも、地球上には、いろんな生き物がいっぱい住んでいるのや。
魚も鳥も虫も、自分の子孫を絶やさんように卵を産んだり子供を育てるために巣を作ったり、
みんな懸命に生きているんや。

生き物はみんな同じように命をもろて生きているのや。
鳥も魚も牛もみんな人間に食べてもらうために生まれてきたのやない。
しかし、人間も生きていくためには、貝も鳥もお魚も牛肉も、お乳も食べんならん。
食べんなんだら死んでしまうからな。
だから生きていくために食べるな、殺すな、とは言わん。

食べた後が問題なんや。

人間が生きていくために生きている動物を殺して、食べやすいように料理して、胃でくちゃくちゃにこなして、
腸で栄養を摂るだけとって、もういらん物をお尻からポンと出して捨ててしまう。

これがうんこや。

それを、挙句の果てに 『あぁ汚な』 と言われたら、お乳を取られた牛も怒るわ。
殺されて、食べられている物取られて、 『あぁ汚な』 と言われたら、昨日食べたエビや鶏がかわいそうやと思わんか。
おまえかて、手伝いを死ぬほどの思いでさせられて、クタクタになってるのに
『役にも立たんやつや』 と言われたら怒るやろ。
食べられたエビさんの立場になってみ。

うんこを見て 『汚な』 と思う前に、 『すまんなぁ』 と思う気持ちにならなあかんのと違うか。
便所に行った時、 『殺してまで食べてすまんなぁ、おおきに許してや』 言うて、
手を合わして拝んであげたら、エビさんも少しは救われるわ。
便所の中でお線香上げて、般若心教まで挙げていうてるのと違う。
手を合わせて、お礼を言う手から流してあげたらよいのや。

植物にも命があるのや。
芽を出して大きく育って枯れていくのは命がある証拠やろ。

あんなぁ よおぅききや

人が死んだらお葬式をするやろ。
きれいに花を飾って、みんなにお参りしてもろて、お寺さんに拝んでもろて、
人間だけが大そうにお葬式してもろてずるいと思わへんか。
動物にも植物にも命があるのや。

便所は人間が生きるために殺して食べた生き物のお葬式の場所なんや。
お仏壇やお墓と思うて感謝の気持ちで、便所はいつもきれいにしておくもんや。
『便所を見れば、そこの家がわかる』 と言われるやろ。
それは優しい心があると、便所をきれいにする心が自然と出てくるからや。
うんこが汚いなんて言うたらあかんぇ。明日からうんこに手を合わせてあげや」


合掌